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【学友便り】最近思うこと

2010 年 10 月 2 日 - 2:10 AM

2009-2010年奨学生 水口 小百合

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アメリカでの大学院生活も既に四ヶ月が過ぎようとしています。アメリカ人学生のみならず、サウジアラビア、台湾、中国からの学生も多くいる国際色豊かな環境のもと、私は現在、TESL(Teaching English as a Second Language)という英語教育専攻で、ネイティブ・スピーカーではない英語学習者、たとえば日本人の学生などに英語を教えるための実践的方法、理論枠組みからの研究方法など多様な視点からの英語教育の勉強をしています。

これまで私の中で、英語は常に「外国語」でした。なので、英語を第一言語として話す人たちのことも、「外国人」として捉えていました。日本を離れてみてまず感じたのは、「外国語」を話す「外国人」は、彼らではなくむしろ私なのだ、ということでした。少し考えてみれば、簡単な話なのだと思います。外国に行けば、自分が「外国人」になる。ただ、それだけのことです。でも、この発見が私には衝撃的でした。日本を離れるまで私が感じなかった感覚でした。日本にいると、外国人と会う機会はそれほど多くありません。もしかしたら、ただ気づいていなかっただけなのかもしれませんが、私の周りには「日本人」というアイデンティティを、少なくとも無意識的に持っている人たちばかりだったと思います。つまり、私は留学するまで、自分が日本人であることについて、ほとんど意識してこなかった、ということです。更に言うならば、日本人であることを意識する必要性がなかったということなのです。もちろん国民性として日本人は、あまり自分のことを語りたがらない特徴があるかもしれません。「沈黙は金」という言葉にもあるように、そのような考え方から培われてきた謙虚さや繊細さは、日本人というアイデンティティを持った人たちのすばらしい特徴だと思います。ただ、それとともに、自分がどんな人間なのか、ということを考えるための客観性も必要なのだと、気づきました。このことが、日本人のすべての人たちに当てはまるかはわかりません。もちろん、私より日本のことについて考えている人たちはたくさんいると思います。ただ、「外国語」を教えようと志す人間が、自分の国のこと、そして自分のことを知らなくてどうする、と思ったのです。外国語研究は、コミュニケーションに根ざした研究です。書かれた文字であれ、話された言葉であれ、身振り手振りであれ、それらは人と人の気持ちを繋いでいくことを目的としています。私の場合は、英語という外国語を媒介として、日本人の英語学習者と英語話者を結ぶことが目標です。そのためには、私がこれから、もっと日本のことを知っていかなくてはならないと思いましたし、それらを客観的に見る視点も必要だと思いました。そして何より、英語圏でしか習得、経験することのできない英語教育に関するあらゆることを吸収していかなくてはならないと思いました。これらが、最近私が常々感じていることです。

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こちらに来てから、受け入れ先であるケントロータリークラブの方には本当にお世話になっています。先日も週末にドライブに連れていってくださり、気持ちのよい週末を過ごすことができました。90年という歴史あるクラブで、いろいろな考えを持ったロータリアンの方たちとお話することができ、とても有意義な留学生活を送ることができています。毎日雪が降り続いた1月、2月が過ぎ、春が到来したかと思われた3月、春がどこかへ行き夏の暑さすら感じさせる4月。ここオハイオ州、ケントがこれからどのような季節の装いを見せてくれるのか楽しみにしながら、日本のスポンサークラブである甲斐ロータリークラブの皆様はじめ、山静地区の皆様にまた良い報告ができるよう、精進していくつもりです。


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